米国はレイバーデーを控えた週末、主要暗号資産が大きく下落しました。
ビットコインは4%近く下げ、1万8,000ドル台へと後退。
これは7月初旬以来の安値で、週単位でも7%以上の下落と2週連続のマイナスとなっています。
イーサリアムも4%以上下げつつも、8月全体では15%超の上昇を維持。
一方、リップル(XRP)は5%安となり、市場全体に調整ムードが広がっています。
トランプ一家が後押しする「アメリカン・ビットコイン」
話題となっているのは、エリック・トランプとドナルド・トランプJr.が支援するマイニング企業「American Bitcoin」です。
カナダのHut 8が筆頭株主で、近くグリフィン・デジタル・マイニングとの合併を完了し、NASDAQ上場を予定。
エリック・トランプ自身は香港のカンファレンスで「ビットコインは最終的に100万ドルに到達する」と強気な予測を語りました。
今後は韓国・シンガポールでもイベント登壇予定で、トランプ一族による“クリプト帝国”拡大が注目されます。
CFTCが海外取引所に道を開く
もう一つ大きな動きは、CFTC(米商品先物取引委員会)が、海外の暗号資産取引所に米国顧客提供の道を開く方針を示したことです。
従来は「FBOT(Foreign Board of Trade)」登録を行えば米国人も海外取引所を利用可能でしたが、新たに暗号資産もその対象へ。
これにより、米国ユーザーが海外取引所へ合法的にアクセスできる環境が整いつつあり
“規制で締め出されていた流動性”が逆流する可能性があります。
FTX崩壊の教訓から、規制と市場開放のバランスが改めて問われる局面です。
9月相場の見通し ― Ben Kurland氏の分析
DYRのCEO、ベン・カーリン氏は「9月は歴史的に弱気だが、その後の反発局面に備える月」と指摘しています。
- ビットコインの支持線:
・重要レベル=111、108、105の各水準
・9月初旬に“フラッシュ安”があっても、FOMC(9/17)前に反転上昇する可能性が高い
・条件はCPIやPPIが想定通り落ち着くこと - イーサリアムの強み:
・4,000ドル突破後のレジスタンスは5,000ドル付近
・ビットコインからETHへの資金回流が起きており、年末にかけ高値更新が視野
・米企業のトレジャリー資産としての採用が進む可能性もあり、構造的な追い風 - 注目銘柄:
短期的にはETHを中心に、アバランチ、ソラナ、チェーンリンクなどの「時価総額上位の成熟トークン」に妙味。
長期ではビットコインとイーサリアムが依然として二大軸。
投資家にとっての意味
今回の動きは、「規制環境の変化」と「トランプ一族の積極参入」という二つのストーリーが同時進行している点がポイントです。
規制の壁が崩れれば流動性が戻り、価格上昇の土台となる一方
政治的リスクや資金フローの偏りが市場のボラティリティを増幅させる可能性もあります。
9月は弱気シーズンとして知られますが
FOMCとマクロ指標次第で“10月ラリー”への起点になるとの見方が強い状況。
投資家にとっては「一時的な下げを買い場とするのか、それとも規制リスクに警戒するのか」が最大の分岐点となりそうです。
👉 まとめると
- 主要暗号資産は9月序盤に一段安の可能性
- FOMC(9/17)前後に反発 → 年末にかけて強気相場も
- イーサリアムは資金流入・企業需要で注目度上昇
- トランプ一族のNASDAQ進出やCFTC規制緩和は“新たな資金呼び水”
この9月は、投資家にとって「試練」と「チャンス」が同時に訪れる月になるでしょう。