2022年末から続く強気相場は、ビットコインを先頭に走り出し、イーサリアムやその他アルトコインも追随してきました。
しかし2025年8月にはビットコインが史上最高値(約12.4万ドル)を更新し、誰もが「この上昇はいつ終わるのか?」と問い始めています。
ある人は2026年まで続くと主張し、別の人は年内で終わると予想。
さらに「マクロ環境が緩和的だからスーパーサイクルが到来する」と強気に見る声もあります。
本記事では、強気相場の終わりを探るために以下の5つの視点で掘り下げます。
- サイクル分析:暗号資産市場の“4年周期”とは
- テクニカル指標:ボリンジャーバンドやRSIが示す兆候
- 規制・地政学リスク:相場を崩すカタリスト候補
- レバレッジ清算:下落を加速させる連鎖の正体
- 底値水準:どこまで下がり得るのか
1. サイクル分析 ― 4年周期の“天井ウィンドウ”
暗号資産市場は半減期を起点にした4年周期で語られることが多いです。
- 強気相場:1~2年
- 弱気相場:2~3年
過去の例では、半減期から12〜18か月後に天井をつけることが多く、
- 2012→2013:約371日後
- 2016→2017:約526日後
- 2020→2021:約549日後
今回の半減期は2024年4月20日。したがって2025年4月〜10月が「天井の窓」です。
すでに2025年8月にATHを更新した今、市場はサイクル終盤にあるとみられます。
2. テクニカル指標 ― ボリンジャーバンドとRSI
過去の相場で有効性が高かったのは月足20SMA(ボリンジャーバンド基準線)。
- 上回れば強気
- 下抜ければ弱気
現在(2025年9月)では:
- ビットコイン:82,000ドル付近が分岐ライン(現値より約30%下でも強気判定内)
- 総時価総額:2.7兆ドル
- アルト市場(トップ10外):約2,500億ドルラインを下回ると要注意
さらにRSI(月足80〜90到達後の失速)は過去サイクルの典型的な天井サイン。
すでにビットコインは過熱圏にあり、下押しリスクが高まっています。
3. 規制・地政学リスク ― 崩壊の“引き金”
強気相場の終わりには、しばしば想定外の規制・政策が引き金になります。
- 2017年:韓国の取引所禁止提案
- 2021年:FRBが利上げを示唆
今回注目すべきは:
- 2025年10月17日:米財務省によるデジタル資産不正対策に関するパブリックコメント期限
- 2025年11月10日:米中関税休止措置の期限
これら自体が暴落の原因ではなくても、過剰レバレッジに火をつける“火種”となり得ます。
4. レバレッジ清算 ― 自動売却の連鎖
相場下落を加速させるのはレバレッジの連鎖清算です。
- 取引所:先物の強制ロスカット → 即時売り圧力
- DeFi/CeFi:担保清算 → より規模が大きく長期化
過去サイクルではFTX崩壊(2022年)がその役割を果たしました。
今回は、暗号資産を大量保有する企業(トレジャリー型プレーヤー)やステーブルコイン発行体(例:テザー)が新たなリスク源になる可能性があります。
5. 底値水準 ― どこまで落ちるのか?
過去サイクルの傾向:
- 天井から約1年後に底打ち
- ビットコインはRSIが40付近で反発することが多い
- アルトコインは90〜95%下落が標準的
ただし注意すべきは、「前回高値は割れない」という神話はすでに崩れたこと。
ビットコインは2022年、2017年高値(約2万ドル)を下回り1.5万ドル台まで下落しました。
今回も7万ドルを割る可能性を否定できません。
結論 ― “終盤”相場で生き残るために
- サイクル的には天井圏内(2025年4〜10月)
- ボリンジャーバンド基準線(82,000ドル付近)とRSIを必ず確認
- 10〜11月の規制・地政学イベントに要警戒
- 200週移動平均(約49,000ドル)が長期的な底目安
- レバレッジ縮小の連鎖が最大のリスク
結局のところ、「いつ終わるか」は誰にも断定できません。
しかし、歴史的パターンと現在の状況を照らし合わせれば
強気相場は最終盤に差し掛かっている可能性が高い。
次に訪れる弱気相場を「避ける」のではなく、「備える」ことが、次の強気相場で勝者になる唯一の道です。
👉 あなたならどう考えますか?
- 2025年秋に天井を迎える標準シナリオ
- 2026年まで強気継続の延長戦シナリオ
- 大規模清算で史上最悪の弱気相場に突入するシナリオ
どの未来が来ても、準備していた投資家だけが次のサイクルで報われるのです。