市場が大きく上昇するときに「もう乗り遅れたのでは?」と感じる人は多い。
しかし結論から言えば、今からでも遅くはない。
ただし同時に、もう“とても早い”段階ではないことも事実だ。
ここからは、最新の市場データとマクロ環境を踏まえ、暗号資産投資の現在地と今後のシナリオを整理していく。
目次
暗号資産市場の全体像
現在の暗号資産市場の時価総額はおよそ4兆ドル前後。
2025年8月には過去最高の4.17兆ドルをつけており、「天井論」が出やすい局面だ。
しかし、オンチェーンデータを精査するとサイクルはまだ中盤にあると考える根拠が多い。
- MVRV Zスコア:現在2台で、過去サイクルの天井(6〜7超)には届いていない。
- NUPL(未実現損益):利益優勢だが、まだ極端な熱狂ゾーンではない。
- Pi Cycle Top:天井シグナルは未点灯。
これらは「加熱のピークはまだ来ていない」ことを示している。
マクロ環境:追い風は強い
- 利下げ期待
米FOMCは9月に0.25%利下げをほぼ織り込み済み。
緩和はリスク資産の燃料になる。 - ドル安基調
ドル指数(DXY)は97台に下落、年初来マイナス。
ドルの弱含みは暗号資産に追い風。 - マネーマーケットファンド(MMF)残高
7.3兆ドルと史上最高水準。
利回り低下で資金がリスク資産にシフトすれば、相場を大きく押し上げる可能性がある。
さらに、ブラックロックやフィデリティが推進する資産のトークナイゼーションや、ナスダックによる株式トークン化の提案など、制度的な受け皿も整備されつつある。
サイクルの行方:8〜10兆ドルシナリオ
今回のサイクルの天井は、市場全体で8〜10兆ドルが現実的なレンジと考えられる。
これは現在水準の約2〜2.5倍。
個別銘柄ではそれ以上の伸びも期待できる。
ただし、過去のように「全銘柄一斉に上がる」相場は終わった。
現在は銘柄数が増え、供給も過剰。勝つためには選別と機動力が必須だ。
資金循環:BTC → ETH → アルト
- BTC
22年安値から約8倍に上昇。
機関資金の主戦場だが、ここからの伸びは限定的。 - ETH
ETFフローの出入りはあるが、依然として資金の受け皿として機能。
第二走者の役割を果たす。 - アルトシーズン
Altseason Indexが上昇、TOTAL3(BTC・ETHを除く時価総額)が上放れ。
いよいよ本格的な資金循環が始まりつつある。
強いテーマと注目銘柄
- ソラナ(SOL)
高スループットとアプリ適性で存在感。
欧州・カナダではすでにETF/ETPが上場済み。 - RWA(実世界資産)・ステーブル
実需接続のストーリーが強い。
機関マネーとの親和性が高い。 - AIトークン
AI×クリプトの物語は小口投資家を惹きつけやすい。 - ミームコイン
短期循環の核。
爆発力はあるが崩壊も早い。 - 新興トークン(予測市場・Base/ソラナ系)
新メタが誕生すれば短期急騰の可能性。
ただし賞味期限は短い。
投資戦略:いまから入る人のために
- 分割投入:一度に資金を入れず、数回に分けて配分。
- 利確ルール:+30%で一部利確、+100%で半分利確など“事前ルール”を決める。
- 損切り基準:重要支持割れやテーマ失速を確認したら即撤退。
- 資金循環を監視:BTCドミナンス、ETH/BTC比率、ETFフローをチェック。
- 新テーマは小さく試す:当たりなら厚く、外れなら即撤退。
注意すべき落とし穴
- 高FDV案件:初値からの上昇余地が限られる。
- 過剰レバレッジ:勝率よりも破産リスクを高める。
- 規制違反のリスク:VPN利用などは利用規約違反や法的リスクに繋がる。
- 平均取得単価への執着:ナンピンで資金を失うパターンに注意。
まとめ:まだ終わっていない
- 今は「完璧な底」を狙う局面ではない。
- 選別・機動・規律がすべて。
- サイクルはまだ中盤にあり、マクロ環境とオンチェーン指標はさらなる上昇余地を示している。
「もう早くはないが、まだ十分に間に合う」。
この相場で勝ち残るのは、感情ではなくルールで投資する者だ。