アルトコインローテーションの真実:2025年の視点から

仮想通貨市場において「アルトコインローテーション」という言葉はよく聞かれます。

一般的には「ビットコインが上がり、その後イーサリアム、そして大型アルトコイン、中小型アルトコインへと資金が流れる」というシナリオを指します。

しかし実際には、それほど単純ではありません。

今回の記事では、Coin Bureau Tradingの分析を踏まえながら、アルトコインローテーションの実態を深掘りしてみます。


目次

1. ローテーションの“前提”を疑え

多くの投資家が抱く前提は「BTCやETHを売って別のアルトコインを買う」こと。

しかし現実には、売却せずに借り入れを活用する動きが主流です。

  • 仮想通貨を担保にステーブルコインを借り、その資金でアルトコインへ投資
  • 税制上も有利(地域によるが、売却益課税を回避できる)
  • 借り入れ環境の整備(DeFi・CEX・銀行系サービスまで拡大)

つまり「ローテーション=BTC売却」ではなく、「資金の借り入れを通じた循環」が真の姿なのです。


2. 流動性の移動は“秒単位”で起こる

過去サイクルと比べて、資金移動のスピードは劇的に向上しました。

  • CircleのCCTPにより、USDCを複数チェーン間でほぼゼロコストでブリッジ可能
  • AaveなどのDeFiはポジションごとチェーン間移動を実現

これにより、資金は従来のように「数週間かけてゆっくり移動」ではなく

数時間〜数日単位で一気に流れ込むことが可能となっています。


3. なぜクジラはアルトを買うのか?

答えはシンプル。利益のためです。

アルトコインは流動性が薄く価格操作が容易なため、

  • クジラが仕込み
  • 価格を吊り上げてリテールを呼び込み
  • その後売り抜ける

というサイクルが繰り返されます。

「アルトコインシーズン」という言葉の裏には、こうしたマネーゲーム的構造が横たわっているのです。


4. サイクルは“長期化”しない

2020〜2021年のサイクルでは、BTC→ETH→大型→小型というローテーションが数カ月単位で継続しました。

これは「コロナ禍によるロックダウン」という特殊要因が背景にあります。

人々が自宅にこもり、余剰時間を投資リサーチに費やしたことで

NFTやDeFiといった複数のテーマが順番に脚光を浴びる“長い祭り”となったのです。

しかし通常時は事情が異なります。

  • 人々は市場以外の生活に忙しい
  • 投資家の関心は短期的に集中して移り変わる

結果として、アルトシーズンは6〜8週間で終息するケースが多いのです。

2017年のバブルもわずか2カ月でアルトが平均8倍に膨らみ、その後急落しました。


5. 2025年サイクルに当てはめると?

  • ビットコイン優位の時代は終わりつつある
    2022年以降上昇し続けたBTCドミナンスが2025年夏にかけて下落傾向。資金がETH・SOL・大型アルトへと動き始めている。
  • ローテーションは“高速化”する
    BTC→ETH→SOL→中小型アルトまでの流れが「数週間」で一気に進行する可能性が高い。
  • 最終局面は一斉上昇
    2017年同様、最後はテーマやセクターを問わず「一斉に上がる」展開が想定される。その後は一気にピークアウトしやすい。

6. 投資家への示唆

  1. 時間軸を誤解しない
    「ローテーションに半年かけて乗る」では遅すぎる。6〜8週間の短期戦と認識すべき。
  2. 資金フローを読む
    CCTPやDeFiポジション移動など、新しい流動性経路を理解しておくことで、一歩早く相場の変化に気づける。
  3. 小型アルトはリスク管理必須
    クジラの利益確定で一気に崩れるため、「いつ降りるか」を事前に決めておくことが重要。

結論

アルトコインローテーションは「BTCを売ってアルトを買う」という単純な動きではなく、借入・流動性移動・クジラの戦略によって高速に展開するものです。

2025年の相場では、この動きが従来以上に短期集中で起こる可能性が高い。

つまり、投資家が勝ち抜くためには「2020年型の長期ローテーション」を前提にするのではなく

2017年型の一斉上昇・短期決戦を想定して動く必要があります。


👉 あなたはアルトコインシーズンが「6〜8週間説」だと思いますか? それとも「2021年型の長期戦」だと思いますか?

よかったらシェアしてね!
目次